『これからの表現教育について語っていたら、これからの先生の話になっちゃった』
4人のビートボクサー&ボーカルパーカッショニストが
惜しげも無く自らの指導法や理念を公開!
かつてこんな座談会があったでしょうか。日本初のビートボクサーAFRAさん、ボイパという言葉が世に出回る前にすでにボイパの活動をしていたKAZZさん、インターネット生まれインターネット育ち、インターネットが住処の“すらぷるため”さん、元RAG FAIRのボイパでハモネプ・ブームの立役者の1人でもある奥村政佳さん(おっくん)そして、『ボイパを論考』するというサイトを主宰するボイパ研究家の杉村一馬さん、この5名が私のZoomトークに大集結し共通のテーマで語り合う・・・夢のような光景の第2弾は、それぞれの指導法や理念そして、これから必要とされる先生像を語っていただきました。
話はどんどん膨らみ、最後には日本の学校教育の話にまで入り込み、私が奥村さんからツッコミを入れられる場面も!
それくらい、授業観や教師観は変わりつつある、いや変わるべき時に来ているのです。4人方々がそれぞれに指導法を語っているだけのようにも見えますが、実は今の学校が抱える問題点の本質を鋭くえぐっているとも言えるのです。特に、保育現場に身を置く奥村さんの指摘は鋭く(言葉は柔和です!)、少子化問題対策よりも今を生きる子どもたちの教育をどうするのかという喫緊の課題として見えてくるはずです。
近未来の先生を予見するかのような話題も
ここに集まったのはビートボクサーやボイパをする人たちに違いありません。しかし、それ以前に、"表現する存在”であることを私たちに強く印象づけてくれます。私たちの生活の中にある音、色、形、手触り、動き、味、香り・・・(幼稚園教育要領や保育所保育指針の《表現》に出てくるくだりです)をキャッチし、それを何かしらの媒体を通じて外へと出す、あるいは、引き出してもらうという営みの中に、私たちは生きています。
個人の嗜好までもがビッグデータという大きな力によって方向付けられることが日常化しつつある中、第15回のHuman Voiceは、これからの先生の役割にまで話題が及びました。
「オススメ」という殻から解放してあげること、これが近未来の先生の役割ではないか・・・
こんな話題を交わせたのも、今回の企画の出演者のおかげだと思います。知らず知らずのうちに私たちは、能動的と思っていた行動が受動化されていたのではないか。まさに、"すらぷるため”さんの言うスタンドアローン・コンプレックス化(第8回・第9回をご参照ください)された社会が、ビートボックスやボイパを語っているうちに見えてきた、そんな感触を持った第15回となりました。
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