『学校教育にビートボックス・ボイパを取り入れてみよう!』
研究を1ミリでも先へ進めたい
『学校教育におけるヒューマンビートボックスの指導でのオノマトペの活用法の研究』(科研費基盤研究C 19K02799)の助成を受けて2020年度のフィールドワークでは、日本全国のビートボクサーやボーカルパーカッショニストの皆さんの指導事例を収集する予定でした。そして、2021年度には私が開発しているオノマトペを活用した指導法や教材(オノマトペかるたやの効果を実証実験する予定でした。それらが実現できなくなってしまった今、研究の歩みを止めないで“1ミリ”でも進めていくことが重要です。なぜなら、一度止めてしまった研究を再始動することは、新たに研究を始めるくらい大変な労力を要するからです。
学会発表用動画を一般向け動画コラムへ変更
そこでコラム&動画“Human
Voice”は、最先端で活躍するプレイヤーでもあり指導者でもある方々から指導理念だけでも予め伺っておき、フィールドワークや実証実験などが再開出来るようになってから直ぐに通常の研究モードに戻れるよう企画されました。そして、遠隔聞き取り調査をZoomトークで実施し、動画として記録することにしたのです。当初は、学会発表や専門家向けの動画として記録するだけを想定していましたが、出演者のみなさんが背中を押してくださったこともあり、インターネット上でのYouTube公開を決意しました。そうなると、インターネット上には様々な人たちがいるのですから、研究者だけでなくボイパ(ア・カペラ)やヒューマンビートボックスの愛好者の皆さん、そして初めてこの音楽表現に出会う方もいるのですから、できるだけ分かりやすく伝わるよう配慮して編集・配信してきました。
1歳半の子どもでも楽しめる!
子どもから大人まで様々に楽しめるボイパ・ヒューマンビートボックスは、言語の発達に合わせて習得することが楽しさを倍増させることを示唆する事実が、研究途中で入手した映像資料から徐々に明らかになってきました。言語の習得の時に乳児が口元を注視することは、言語音と楽器音の認識が未分化な発達段階においては既知のことであり、コロナ禍でマスクをすることが乳児期の表情の乏しさに繋がっているという指摘もされています。
“音を見る”という感覚を養う
ボイパやヒューマンビートボックスにおいては、出したい音(グルーブ感も含む)のイメージをもつことも大切ですが、出したい音をただ耳で聴くだけでなく、“音を見る”(=口元の様子)という観察眼も大変重要です。“音のデッサン”とも言えるこの営みは、ボイパやヒューマンビートボックスでは体感しやすく、私は身体全体を使って幼小中高の現場で活用する方法を研究しています。
出演者全員が大集合!
今回の動画はこれまでの出演者のみなさんが全員集合し、ボイパ(ア・カペラ)やヒューマンビートボックスを学校教育に取り入れる意義やその方法、そもそも音楽の授業って今後どうあるべきかにいたるまで、様々な話題をたくさん語っていただた模様を3回に分けてお送りする1回目です。多くの皆さんにご覧頂き、さらに議論が深まっていくことで、口だけでおこなうこの音楽表現の魅力がさらに広がっていくことを期待しています。
ということで、大座談会は3回に分けてお届けします!お楽しみください!
◇出演者(敬称略)
ビートボクサー:AFRA すらぷるため
ボーカルパーカッショニスト:KAZZ 奥村政佳(おっくん)
ボイパ研究家:杉村一馬
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yuki (土曜日, 05 6月 2021 22:43)
こんばんは。河本様。
音をみるという事で、出た音をグラフ化するのかと思っていたら、唇を見て音を読むという事なんですね。
古くから読唇術と言うのはありましたが、これから音楽の世界でも、このような方法で、新しい技術が広がっていくんですね。