※初出2016年6月23日のブログ『〈これしかない〉を〈これもある〉と考えられること〉を加筆修正しました。
ある卒業生とFacebookで会話をしていたときのことです。その卒業生からこんな話が出てきました。
「その当時は、気持ちも体もついて行かなくて、でも時間は過ぎていくし、周りの環境や、勉強についていけなくなるのではないかという不安で。もう無限ループでした。」
「無限ループ」
悩みはじめは言葉を生み出せる余裕があるのですが、それがだんだん言葉を生み出すスピードよりも感情の動きの方が速くなっていき、最後には「悩んでいる」という感情だけが頭の中をグルグルと回り始める、それが「無限ループ」状態と、ここでは定義しておきます。
こうなったら、もう自分ではコントロールが効きづらくなります。気持ちと身体の反応が折り合いがつかず、行動が出来なかったり、無理に気持ちをリセットしようとしたりします。
私にもこのような経験が何度となくあります。(もしかしたら今も・・・) このような時、私の場合は、頭の中で速度オーバーの思考回路を、言葉を書いたり発したりするスピードに落としてみます。これは学生指導の時にもオススメしています。
「悩んだときは、書きなさい。」
「話したくなったら、話しなさい。」
今年は、入学式もオリエンテーションもなく、いきなり遠隔授業が始まったこともあり、この二つのメッセージは何度となく発したような気がします。
悩みを抱えた時は、思考回路が速度超過を起こしています。そんな時は、言葉を書いて考えることで、思考のスピードをゆっくりとしたスピードに落とすことができます。書くことがうまく出来なければ、音楽によって時間の流れをコントロールしてみるのもよいでしょう。私は、なぜだか無性にベートーベンが聴きたくなる時が、何ヶ月かに1回あります。そして、「これしかない」という答えではなく、「これもある」という選択肢が増えたときに、無限ループから解き放たれるのです。
「無限ループ」から解き放たれると、次は新たに具体的な行動ができるようになります。そうすると、それは新しい習慣へと結びつきます。このような流れを、マザーテレサは次のような言葉にまとめました。
思考に気をつけなさい、それはいつか言葉になるから。
言葉に気をつけなさい、それはいつか行動になるから。
行動に気をつけなさい、それはいつか習慣になるから。
習慣に気をつけなさい、それはいつか性格になるから。
性格に気をつけなさい、それはいつか運命になるから。
(マザーテレサ)
コロナ禍で「無限ループ」にはまっている学生がいます。それは私も同じ。答えを求めるのではなく、「これもある」という選択肢を増やすのです。それは、ちょうど“あみだくじ”の横棒を増やすことに似ています。
人生はあみだくじ どちらへ進んでも間違いではないから大丈夫
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