※2016年6月1日のブログです。今でも続けている日本語の発音法での内容です。
『子どもの音楽(基礎)』の授業でいつも取り上げている「ネタ」をご紹介しましょう。それは・・・、「いっこく堂」のマネをちょっとだけするのです。
「子どもにとって、保育者は身近な日本語のお手本。だから、発音や言葉遣いには気をつけて」と、いつも授業で訴えています。
そんな授業の中で、明瞭な日本語の母音をつくるにはどうしたらよいでしょうという内容があります。その時に登場するのが、「いっこく堂」のモノマネです。そう、口の動きよりもコトバが遅れて聞こえてくるというあの「いっこく堂」です。
母音の違いを教える時は、口の形の違いを用いて指導されることが多いと思いますが、実は最も重要なのは舌の位置です。舌の位置を変えることによって、母音を特徴づける周波数を生成しているのです。ですから、口の形は、その舌の位置を母音を形成する位置に決めてしまえば、ある程度自由に変えても母音性は失われないということになります。
この原理を逆手に取ったのが、腹話術師としても有名なタレントの「いっこく堂」です。「い」の口の形で「a」を発音し、「う」の口の形で「i」、同様に「え」→「u」、「お」→「e」、「あ」→「o」と繋げていくとどうなるでしょう。見ている人は混乱するはずです。
この「芸?」を私は猛特訓で習得し、学生の前で披露するのです。ちょっと自慢話になってしまいましたが、学生の食いつきはかなりいいです。鏡を渡すと、学生もすぐに自分もやってみたくなるようです。(本当は、モノマネではなく、明瞭な母音をつくることが目標なのですが・・・)
ということで、そもそもは「日本語の母音を明瞭にするには、舌の位置が大切」ということを教えるための、「掴み」が「いっこく堂」のモノマネという話でした。
(学生に、モノマネしか記憶に残らなかったらどうしようという不安もあります。)
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